前回は、脊椎評価をする際の全体像把握として、動きを確認する重要性について触れました。
少し前後しますが、今回はアライメントについてです。
いわゆる姿勢評価になりますが、脊椎を評価する上で全体的な姿勢像を最初に捉えておく方が良いです。
頸椎の前弯が過剰あるいは減少していないか?
胸椎の後弯は?
腰椎の前弯は?
側弯はないか?
姿勢評価は、大まかにでもどの筋が弱化していて過剰になっているかの、仮説を立てることに繋がります。
前回の動きの確認と合わせて静的な姿勢を評価しておきましょう。
姿勢の異常パターンはいくつかありますが、代表的な矢状面での姿勢異常について示しています。
また、前額面では側弯の有無を確認する必要があります。
側弯はレントゲンで診断されますが、視診でもある程度予測を立てることができます。
・患者の後方から脊椎のアライメント、肩甲骨位置の左右差、ウエストライン、骨盤の傾き
などを見ます
・立位で前屈してもらい、肋骨の盛り上がりがないか確認します(rib hump sign)。
立位で側弯が疑わしいと評価しても、rib hump signがなければ、機能的側弯の可能性が高いです。すなわち、構造的に問題があるのではなく、軟部組織や脚長差などの影響を受けている可能性を疑います。
また今度別の記事で書きますが、姿勢評価から脊椎の動きを予測することもできます。
姿勢の重要性を訴える人も多いですが、個人的には姿勢はあくまで評価の参考材料の一つとして見る程度で良いと思っています。
大まかに把握して、触診や他の検査を踏まえて総合的に評価できると良いかと思います!
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