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前腕回内位に対するキネシオのサポート方法

片麻痺などによる上肢の屈曲内旋パターンを取りやすい対象者に対して、リーチ動作時における前腕の中間位~回外位保持は獲得することが難しい動作の一つです。


多くの場合、前方へのリーチ動作時に、最短距離の軌跡を辿ることが難しく、肩甲骨の挙上、肩関節外転+内旋パターンを取りながら腕を前方になんとか運び、対象物にリーチするときには、前腕の回内と手関節の掌屈が過剰に生じ、手を機能的ポジションに保てないという状態が起こります。


また、下の動画のように、比較的肩関節の屈曲と肘の伸展が協調して出現し前方にリーチする運動は得られても、前腕の中間位保持が難しく、最終的に回内位となり、グラスプ動作までつながらないケースにも出会います。




今回は、このような前腕の回内位を生じやすいケースに対して、キネシオテープを使い、回外方向へのサポートを実施したところ、リーチ時の中間位保持がしやすくなったケースがいたため、キネシオテープの貼り方について共有したいと思います。



①下の写真のように小指球の部分にキネシオテープの端を貼ります

②母指と示指の間に向かって手掌面に貼ります


③背側面から尺骨茎状突起に向かって貼り、そのまま手関節掌側面を通って貼っていきます。このとき、前腕回外位にし、なるべくテープを伸長させて貼ります。



④そのまま前腕背側面⇒掌側面と巻くようにテープを貼っていき、回外筋周囲にテープの端が来るようにします



ポイントは、前腕回外位でテープを伸長させながら貼っていくことですが、あまりきつく貼ってしまうと、不快感が出てしまうので、注意が必要です。


また、手掌部にテープがあることで、不快に感じる人もいるかもしれませんので、対象者の主観的な感覚も聞くことが大切になります。


実施してみるとわかりますが、回内位を取ろうとすると、抵抗感があり、回外しやすくなります。


今回担当したケースでは、この状態で、前腕中間位保持をしながら物品操作訓練に繋げることができましたが、このような方法が推奨されているわけではないので、もう少し他に良い方法もあるかもしれません。


キネシオテープは皮膚がかぶれやすい方は非推奨ですが、痙縮抑制や指の伸展サポートなどでも用いられることがあります。


※「手指痙縮に対するキネシオテープの方法」記事はこちらから



実施可能な対象者がいましたら、参考にして頂ければ幸いです。

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