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目標設定の大切さ

おはようございます


さて、今日は目標設定についてです。

近年目標設定の大切さは改めて注目されていて、ADOCなどの目標共有ツールアプリケーションなどは、その最たるものかと思います。



先日のzoomライブでも少しだけ話題に上がりましたが、私は今生活期にいて、生活期の目標設定はとても難しいと日々感じています。



まずは目標設定の大切さに触れておきたいと思います


目標設定がなぜ大切か。



例えば、急性期で脳梗塞を発症した人を発症日から介入を開始したとします。この時、リスク管理を行いながら覚醒レベルを促し基本動作の獲得を目指す。これは、当然必要になってきますが、やはり目標を明確にしておく必要はあります。



なぜなら、目標設定をしないと目先の症状だけに捉われてしまうからです。

覚醒が低いから覚醒を促そう、麻痺があるから麻痺促通を行おう、座るのが不安定だから座位バランスの訓練をしよう。


勿論これって間違っていないですよね。


でもこれでは、全体像を捉えた介入とは言えません。いわば局所的介入、部分的介入です。

我々療法士は、”人”を相手にする職業です。病気によって出現している症状や現象は、その”人”を捉える上での一つの要素です。



まずはその”人”がどんな人だったのか、どんな生活をしていたのか、誰と暮らしていたのか、仕事は、趣味は、・・・・と情報収集をしていく必要があります(特にOTはそう教わると思います。。)。


そして、その”人”を捉えたうえで目の前の現象に向き合う。そうすると、おのずと、退院後の生活のイメージも湧いてきます。



退院後の生活をイメージできたとことろで、具体的な目標設定を立てることができます。あとは、専門的知識をプラスして、予後予測を立て、目の前の 症状や現象を的確に評価してより具体的・現実的に落とし込むという作業が必要だと私は思います。



急性期・回復期は患者さんも混乱しており、不安も強い状態です。目標を一 方的に設定するのではなく、必ず本人・家族とも共有できるとベストですね。

ここまで、目標設定の重要さを説明してきましたが、生活期では目標設定が難しくなります(個人的な印象として)。


急性期、回復期ではまず自宅に帰ることをイメージして目標を設定・共有します。退院後の生活に漠然とした不安はあるものの「退院」という物理的(時間的)なゴール設定が明確であるため、あまり目標を見失うことはないです。



しかし退院後、生活の場に戻ると状況は変わります。



退院後は自宅という生活の場に戻ったことで、人によっては”想像していたよりも出来ないこと”が明らかになり、それらを獲得することが目標になるかもしれません。



ただ入院中と異なり「退院」という時間的ゴールがなくなってしまうため、 いつまでに何を達成するかという部分が不明確になりやすいケースは少なくないように思います。



多くの方を見ていると、退院後しばらくすると自宅での生活にはなんとか適応し始めます。 「~までに復職する」「来年の~に旅行行きたい」などと、時間的ゴールが明確な方は目標設定しやすいですが、皆がそうではありません。



自宅内の動作は何とか獲得し、外出も不便ながらできる、少しの介助があればある程度の事はできる状態になってくると、今度は機能面に目が向きやすいです。



そうすると、「この麻痺をもう少し改善したい」というニーズが高まり、時間的なゴールが不明確なまま「麻痺側の随意性を高める」という目標設定に陥りやすくなります。



現在は様々な先端医療の発展により、麻痺などの症状も改善する兆しが見えてきていますが、やはりまだまだ確実な改善は難しい状態です。そういった結果が不明確なものに対し目標設定を漠然としてしまうのは、療法士と当事者どちらも暗闇の中を進むような状態に陥るリスクがあると懸念しています




私自身、生活期の領域に出てまだ 5年ほどですが、日々このテーマについて考えさせられています。


皆さんはいかがでしょうか?


目標設定を明確に行い共有した介入が出来ていますか?

病院では総合実施計画書が、介護保険での訪問では訪問看護計画書が、目標共有のツールとして存在していると思いますが、ただルーチン的にサインをもらっている人も少なくないと思います笑



目標を設定する事は、当たり前の事ですが、振り返ってみると意外と出来ていないものです

計画書を上手く活用するのが1番だと思いますが、形式的なフォーマットで患者さんと共有しにくいようであれば、他のツールを用意してもよいかもしれません



どんな疾患やどのステージでも、目標設定は共通する事なので、今一度振り返ってみてみましょう^ ^

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