top of page

SDMについて②

前回のSDMについて①~意思決定のパターン~ に続きパート2となります.



前回のコラムでは,医療現場における意思決定のパターンは大きく3つに分けられ,SDMはその中の一つであることを説明していきました.そして,SDMの特徴は医療者と患者が協働して治療内容の決定を下すというものであり,不確定要素の多い分野において特に重要視されるべきという事を書きました.不確定要素の多いリハビリテーション分野も例外ではないということで,近年重要性が謳われています.



今回はSDMについてもう少し解説していきたいと思います.


SDMの重要性はわかったが,実際にどのように実践すべきか悩みますよね.


SDMを実践するにあたって実践ステップというものがあります.



ここでは,Kristonら(2010)の論文をもとに9つのステップを紹介します.




引用: Kriston L., et al. : The 9-item Shared Decision Making Questionnaire (SDM-Q-9), Development and psychometric properties in a primary care sample, Patient Educ. Couns., 80(1), 94–99,2010.



実際の現場で,この通り綺麗に順を追って実践していくのは難しい印象もありますが,個人的には④選択肢のメリット・デメリットの情報交換をすると⑥両者の意向・希望を提示するはポイントだなと感じています.


なぜなら,普段ここまで丁寧に情報を共有できていない人が多いですし,患者さんの意向を汲んでプランを立てられているか?と問われると出来ていない人が大半だと思うからです.


この流れを知っておくことはSDMの実践にとってまずは重要かと思います.


患者さんはなかなか本心を医療者側に伝えられないという問題もあります.

こちらがいくら聞き出そうとしても頭の整理ができず,上手く表現できない人も少なくありません.



そのような場合,意思決定ガイドを利用するのも一つかもしれません.



上記サイトは,オタワ意思決定ガイドの日本語版になります.

患者さんと協働して埋めてみたり,患者さんに渡して整理に使ってもらうと有効なケースもあります.


結構記載が大変で,面倒くさがる人もいますし,適応と不適応は分かれるかもしれません.



私自身,最近ある症例でSDMの重要性を痛感した人がいました.


その方はがん患者でお亡くなりになってしまいましたが,医療機関側とのSDMがもう少しなされれば,より良い最期を迎えられたのではないか?と思ってしまう症例でした.


リハビリ場面での実践もなかなか難しいですが,知っておくことで意識はできるはずです.


明日からの臨床に少し意識をしてみましょう.



閲覧数:42回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page