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DESC法を利用した「伝える力」の向上


コミュニケーションについて学ぶ上で必ず出てくるのが、「アサーティブコミュニケーション」です。



一度はどこかで聞いたことがあるのではないかと思います。



アサーティブ(assertive)とは元々自己主張するという意味があります。


アサーティブコミュニケーションは、単に自分の思っていることを主張するという意味ではなく、相手の気持ちも尊重しながら、自分の気持ちや意見を誠実に、率直に、対等に表現するスキルとされています



自分の考えを一方的に話したり、攻撃的・批判的な発言が強い人は「攻撃的タイプ」


受身的で相手の顔色を伺いながら発言をする人は「受身的タイプ」となります。



アサーティブタイプ」は、相手の話も尊重しつつ自分の意見を建設的に話すことができる人のことを指します。



このアサーティブコミュニケーションを実施する上で、重要なポイントとなることが、「聞く力」と「伝える力」になります。


「聞く力」はいわゆる傾聴のスキルがそれにあたります。このあたりは、我々セラピストは得意としているところかと思います。



もう一つのスキルである「伝える力」ですが、実は我々セラピストは、相手にうまく自分の意見を伝える方法について学ぶ機会は少ないです。


この「伝える力」の一つの手法として、「DESC法」というものがありますので、今回紹介したいと思います。

DESC法とは、「Describe」「Express」「Specify」「Choose」の頭文字を取ったものになります。


①Describe ~事実を客観的に描写~


例)締切日までに書類を提出しない


・「締切日すぎたけど、早く出して?」 

⇒感情が含まれ、客観的描写が少ないので ×


・「今日が締切日です。締切日に間に合わないと次の業務に遅れが生じてしまいます。明日

  までは締切日を伸ばせるけど、何か間に合わせるのに難しい理由がありますか?」

⇒客観的な事実を伝えたうえで、次の行動を提案しているので 



②Explain ~自分の気持ちを伝える~


例)締切日までに書類を提出できなかった理由を聞くと、「すいません、忘れてました」と相手が答えた


・「あなたは忘れる事多いよね。気を付けた方がいいですよ」

×


・「”忘れてた”と言われるのは、正直ショックでした。業務が忙しいことはわかっている

  が、こちらも大事な仕事なので、忘れずに取り組んでほしい」


このような場面は、最も感情的になりやすい場面かと思います。


ここで大事なことは、「YOUメッセージ」ではなく「Iメッセージ」を意識することです。


YOUメッセージになると、「あなたは●●ですね。」と相手を主語にして批判的な発言をしてしまいやすく、関係性が崩れるケースが少なくありません。


一方、Iメッセージでは「私は〇〇と感じた」というように、私があなたの対応に対してどう感じたのかを伝えることになります。


そのため、Explainの部分では、Iメッセージを意識すると良いです。



DESC法では、上記①Describeと②Explainが最も重要であり、ここがうまくいくと、③Spesify(提案する)④Choose(提案したことに対する相手の返答を踏まえて、選択する)という流れになります。



おそらく、無意識的に日常のコミュニケーション内でこのDESC法を使えている方も多くいらっしゃるかもしれません。


改めて振り返ってみると、人に何かを指示や提案する時は、いきなり自分の都合で指示・提案をしていることはありませんか?


客観的にどのような事が前提としてあり、自分はどう感じ、その上で提案をして、実際の行動を選択する。


この流れを少し意識することで、日常業務や臨床業務をする上で役に立つかもしれません。



コミュニケーション技法は、ある意味当たり前と感じる要素が大きいので、あまり本腰を入れて学ぶ機会が少ないんですよね。

このような手法も少し頭の片隅にいれておけると、幅が広がるかと思いますので、参考にしてみてください。



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