近年は地域包括ケアシステムの構築などが進み、ますます「活動」や「参加」に焦点が当てられるようになってきています。
特にOTなんかでは、この「活動」「参加」を大事にするわけですが、社会参加とは何か?ということを疑問に思う事はないでしょうか。
役割を獲得すること、仕事に復職する事など挙げようと思えば、挙げられますが定義として理解できていないのも現状かと思います。
小向ら(2017)は、リハビリテーション分野における社会参加とその類義語の定義が先行研究でどのように記載されているか、またどのような評価指標が用いられているかについて、システマティックレビューで検証するという試みをしています。
社会参加を表す「social participation」では、
「仕事、家庭での活動、余暇活動ができる」
「家庭、社会における役割を持てる」
「 社会との関わりを持てる」
「自立した生活が送れる」
「ICF の環境因子」
「他者と関係を築ける」
これらの6つのカテゴリに分けることができ、
類似語であるSocial engagementでは、
「地域の活動に参加できる」
「社会的な役割が持てる」
上記2つのカテゴリに分けられたと示されています。
これらを知ることで、例えば、自分が担当患者さんの社会参加を促す際、「social engagement」を促すのか、「social inclusion」を目指すのかといったことが、少し明確になる可能性がありますよね。
さらに、それぞれの定義ではどのような評価指標を行っているかもこの論文では出ていて、「CIQ」と「CHART」という二つの評価方法が多く抽出されたとあります。
CIQは頭部外傷の対象者、CHARTは脊髄損傷患者を対象に生まれた評価手法で、他の領域にも浸透しているようですが、対象者によって使い分ける必要があるかもしれません。
いずれにせよ、社会参加を評価する際はどの定義に基づき、どんな評価を行うかについて検討するには参考になる論文だと思いました。
また、地域高齢者に対しては「QCIQ」という評価もあるので、この論文では出ていませんが、こちらも参考にすると良いかと思います。
参考
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