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肩関節疼痛に対する理学療法評価


安齋です!さて、理学療法評価について書いていきます。


感度、特異度を示しながら説明します!


【上方の痛みに対する棘上筋評価:drop arm sign 】

検査方法:肩関節を外転位で持ち上げたらその高さで保持してもらう。

判定:高さを維持できない、疼痛が発生したら陽性

機能的意義:棘上筋の損傷はあっても関節拘縮がなければ、他動的に外転することはできます。自動運動となると求心位に維持しつつ運動をしないといけないので疼痛だったり高さ保持ができなくなります。 注意点:肩周囲のアウターマッスルが強い場合は評価時に陽性反応が出ない場合もあります。その場合は腕のだるさや違和感、抜けそうな感じなどを聴取しましょう。 また、評価の感度は0.14-0.35と低いので、損傷があっても陽性反応が出ない場合も大いにあります。特異度は0.78-0.88であるので陰性であった場合は信憑性が高いです。 【上方の痛みに対する棘上筋評価:empty can test 】 検査方法:肩関節外転位、肘関節伸展、前腕回内位に保持し、肩関節内転方向に抵抗を加える。 判定:肩関節に疼痛が生じるか、肢位を保持できない場合、陽性。

機能的意義:検査肢位にすることで上腕骨が内旋し、上腕二頭筋長頭腱の作用を排除することができる。疼痛が生じるのはdrop arm signと同様です。 注意点:三角筋が強い場合、陽性反応が出ない場合があります。感度は0.32-0.89とばらつきがあります。 【上方の痛みに対する棘上筋評価:full can test 】 検査方法:肩関節外転位、肘関節伸展、前腕回外位に保持し、肩関節内転方向に抵抗を加える。 判定:疼痛が生じるか、検査肢位を保持できない場合、陽性。 機能的意義:検査肢位にすることで上腕骨が外旋し、上腕二頭筋長頭腱が棘上筋の補助をするため、empty can testに比べて疼痛が生じにくい。 注意点:三角筋による代償にて陽性反応が生じない場合がある。また、疼痛が上腕二頭筋長頭に生じる場合があるのでその場合は、speed testか、Yargason testにてさらに鑑別する必要があります。 【上方の痛みに対する棘下筋評価:external lag sign 】 検査方法:肩関節下垂位、肘関節90°屈曲位にし、外旋運動をパッシブに行う。次に検査肢位からアクティブに外旋を行う。

判定:アクティブROMがパッシブROMに満たない場合、陽性。

機能的意義:肩関節外旋作用のある筋は棘下筋と小円筋。棘下筋は小円筋よりも大きいのでその作用は強く外旋に貢献していると判断できます。パッシブROMに満たない場合は、作用の大きい棘下筋の筋力低下が考えられます。

注意点:特異度は1.00のため、陰性の場合はほぼ確実に陰性です。ただ、感度は0.7なので損傷があっても陰性である場合があります。そのため、MRIやエコーにてしっかりと鑑別するべきです。 【検査からわかること】 いづれの検査も1つの検査では断定できないものというのが分かりますよね。なので、触診やMRI、評価を織り交ぜて総合的に評価しましょう! そして、評価からわかることは、こちら。 この4つです。 ローテータカフの筋力低下、肩甲胸郭関節の不安定性、GHjtの不安定性はわかるかと思います。 GHjtの上方組織の拘縮ですが、これが生じると肩峰下でのインピンジメントが生じます。拘縮しやすい部位は上上腕関節靭帯(SGHL)、烏口上腕靭帯(CHL)です。この拘縮により、棘上筋や棘下筋の損傷や炎症が起きます。


それではーーー!


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