こんにちは
中嶋です。
上肢機能への介入にペットボトルを使うことがあるかと思います。
ペットボトルは身近な物品で用意しやすく、自主トレの提案にも使いやすいです。
今回はペットボトルの特徴とアプローチ例について書いていきます。
※脳卒中など肩の安定性が乏しい方に対する介入をイメージした内容になってますので、整形疾患にはそのまま当てはまらないこともあります。その点ご了承ください
【ペットボトルの特徴】
ペットボトルをactivityとして扱う際は以下のような特徴があると考えられます。
○中に入れる水などの量を調整することで、重さを段階的に変化させることができる(負荷量の調整が出来る)
○手にフィットしやすい丸みがある(graspの練習にも繋がる)
○中に入っている水を動かすことで、感覚のフィードバック訓練が出来る(手関節のコントロールにも繋がる)
○水以外にも様々な物を入れる事ができ、バリエーションが豊富(砂を入れて重さを増す。おはじきを入れて動かすと音が鳴るようにする。など)
【アプローチ例】
写真では、肩屈曲90度から手関節背屈位でペットボトルを把持しています。
この肢位からの介入例としては、以下のような方法があります。
①手の背屈、肘の伸展を維持しながら肩の屈曲伸展、外転内転などを行う
②肩の位置は固定したまま、肘の屈伸を行う
③肩の位置は固定したまま、手関節の掌背屈、橈尺屈運動を行う
①は肩の痛みなど生じないよう注意して実施してください。
肩などの近位部には固有感覚情報が、手などの遠位部には皮膚感覚情報が運動の発揮に重要だと考えられています。
ペットボトルを把持して肩を動かすということは、手掌内から得られる皮膚感覚とペットボトルの重量感覚も含まれた固有感覚が同時に入力される動作であると考えられます。
②、③では、肩の安定性をもとに遠位関節を選択的に動かす運動になります。
患者さんはこの運動を行う際、動かす部分に意識が向きすぎ、肩の安定性が崩れやすいです。
(例:この肢位から肘の屈伸を指示すると、肘の屈伸に意識が向きすぎてしまい、肩の保持が不十分になる)
そのため指示をする際は、「肩の位置を変えないで肘を曲げ伸ばししてください」と、肩について強調して伝える必要があります。
あとは、目をつぶってもらうい、視覚情報を遮断し、手からの感覚に意識を向けてもらうなど、応用もしてみると良いと思います。
今回は臥位でのアプローチ例を提示しましたが、姿勢は上肢機能や体幹下肢機能レベルに応じて、背臥位、側臥位、座位、立位、適切な姿勢を選択します。上肢挙上の際、肩甲骨挙上など代償動作が顕著な場合は臥位から実施した方が良いかもしれませんね。
ペットボトルに限らず、道具はそれ自身が持つ特徴があるので、うまくそれらを利用していけると良いですよね^ ^
Comments