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執筆者の写真リハビリスクエア【リハスク】

1単位で何をするか

サロンメンバーの方から質問がありましたので、シェアします。


【質問内容】

腰痛の人に対して週1の1単位で何をすればよいか悶々としてしまう。

40代、50代の方で、脚立に1日乗って作業したり、しゃがんで作業したり、立ち座りが何度もあるような仕事をしている。

患者さんはマッサージや整体なども受けている。評価すると、下肢、体幹で筋力低下している所見なども見られるが、仕事で身体にかかる負荷は変わらない中、週1で何をすればよいか悩む。とにかく背中や腰が硬くなりすぎてて、物療した後でも硬くてちょっと動くと痛いいと訴える。家でも簡単にやれそうな自主トレなど提案している。しかし、今の身体機能の維持でいっぱいいっぱいな感じで、とても痛みを取るとか機能上げるのは難しい印象がある。


※文章は実際の質問の文面と少し変えています。




外来ならではの悩みですよね。


入院と違い外来の難しいところは、リハビリを適切な頻度や時間で提供することが物理的に難しいという点が臨床現場では挙げられるかと思います。


腰痛の原因などもわからない中なので、確かな事は言えませんが、いわゆる体を酷使する慢性腰痛の方に1週間に1度のリハビリで何を目的にアプローチすればよいかという視点で今回の質問に対して考えていきたいと思います。



まず結論として、こういう方に対してのリハビリの目標は「身体の使い方を変える」ということになるのではないかと思います。


出来れば、何かしらの目標設定ツールなどを用いて目標を共有できることが望ましいですが、おそらくその導入すらも難しい場面は多々あると思います。



オーバーワークで、日々の仕事の特性上腰に負担がかかってしまう事は、正直今後も避けられないかと思います。

なので、仕事をしている以上、痛みとある程度付き合っていくという前提を共有しておく必要はあるかと思います。


ここは結構大事で、このプロセスがないとどうしてもいつまでも『痛みの有無』だけがアウトカムになってしまい、知らず知らずのうちに痛みをその場だけでも緩和するアプローチになってしまいます。


痛みを緩和できることは大切ですが、痛みを追いすぎるとセラピスト側も盲目的になる恐れがあるので注意が必要です。


患者さんと、痛みに関して前提を共有した上で、身体の使い方を少しでも変えていく事によって長期的に見た時に腰への負担が減らせる可能性がある事もお伝えし、リハビリでの一単位では、リラクゼーションではなく、動作訓練、動作評価を中心に行ってみるのが一案です。



例えば体幹前屈の時、胸椎の可動性が低下している所見が見られたのであれば、毎回胸椎屈曲のエクササイズを行い、体幹前屈における身体の動かし方に変化が出るかを経時的に追うなど。



実際の患者様は、出来るだけ早く痛みを減らしてほしいと思っていますし、マッサージなどリラクゼーション系の介入を望まれている方も多いかもしれません。


本人と話した上で、それでもマッサージや物療の施術を強く望まれるようであれば、それはご本人の意思なので、尊重してあげるべきかもしれません。



ですが、一単位で出来る事は限られるからこそ、動作確認、指導中心に少しずつ移行できていくのが今回のようなケースは理想だと思いました。



こういった悩みは色々なケースに当てはまりますよね。


例えば脳疾患系の方々でも機能障害に目を向けすぎるとやはりその先の目標を見失いがちになります。


どう話せば、こちらの意図が伝わるのか。

どのように伝え、共有すれば同じ目標に向かって1単位を有意義に使えるのか


これは本当に難しい課題だと思います。


難しいですがとても重要な課題なので、ぜひ一人一人が意識して臨床に取り組みたいものですね。






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