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運動イメージの上肢機能に対する効果


前回に引き続き運動イメージについてです。


前回は評価法の基準値などに関して質問があったので、それに対する補足を加えていますので、再度見てみて下さい。




さて、今回は運動イメージが上肢機能に対して効果があるか?という点について書いていきます。


先日、脳卒中ガイドライン2021が発刊されましたが、その中の上肢機能障害の項目において運動イメージは推奨度B、エビデンスレベル中とされています。


海外の脳卒中ガイドラインにおいても上肢機能障害に対してメンタルプラクティスの推奨されている傾向があります。


では、実際に上肢機能障害に対して運動イメージ(メンタルプラクティス)を活用する場合は、どのような設定が必要なのでしょうか。


【適用患者について】

National clinical guideline for strokeでは、「認知的に適切である患者に対してと推奨する」と書かれており、認知機能が保持している場合に有用だとされています。


【運動イメージの方法について】

一貫したものはないですが、いくつかポイントがあります。


●運動イメージ前にリラックスをする。

⇒これは、運動イメージ時には運動実行準備時と似た脳活動が生じる(補足運動野、運動前 

 野など)と言われているため、雑念が入らない環境を設定する必要があるということにな

 ります。


●イメージする動きは、首の屈伸など構造的な動きと、コップや物に手を伸ばして掴む、本

 のページをめくる、筆記用具の使用、スプーン操作、ブラシや櫛の使用操作など、目指し 

 たい動き、習慣的な動作を取り入れる


また、1人称運動イメージ(筋運動感覚イメージ)の方が3人称運動イメージ(視覚運動イメージ)よりも脳活動の傾向として運動学習に繋がることが示唆されている報告が散見されますが、上肢機能障害に対する論文において、どちらの運動イメージ方が効果的という内容は明記されていないです。うまく使い分けたり組み合わせる必要があるかもしれません。


【運動療法(従来リハ)と併用が良いか】

単独で運動イメージ訓練を行うよりも運動療法に加えることが効果的であると推奨されています


【介入時間と頻度について】

1日あたり20分、頻度は週3回が目安になります


簡易的に行えるかつ、推奨もされてきている治療法になるので参考にして臨床に活用していきたいですね。



参考:


Stockley,2020
.pdf
ダウンロード:PDF • 2.11MB


MACHADOetal 2019
.pdf
ダウンロード:PDF • 953KB




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