運動イメージとは、実際には運動を行わない(筋活動がない)状態で、脳内で運動を想起する認知機能のことを指します。
この運動イメージを行っている時の脳活動を見てみると、以下の脳領域で活動が見られることが分かっています。
・補足運動野
・運動前野
・頭頂葉皮質
・大脳基底核
・小脳
・一次体性感覚野
・視床
・前帯状回
・前頭前野
これを見ると、随意運動の企画、実行、運動制御に関連している領域に活動が生じていることがわかります。
つまり、運動イメージは、実際に筋活動を伴わずとも随意運動の企画・制御に関わる脳領域を賦活するという事が言えます。
これらの背景により、近年運動イメージは脳卒中領域やスポーツ領域、高齢者リハビリなどで注目を浴びているわけです。
運動イメージは大きく二種類に分けることができます。
【運動イメージの分類】
①1人称運動イメージ
②3人称運動イメージ
1人称運動イメージは、筋感覚的運動イメージとも呼ばれます。
これは1人称なので、自分が運動を実際に行っているように想起する(イメージする)タイプになります。
例えば、「バンザイする」という運動をイメージする場合、自分がバンザイをするイメージをします。
一方、3人称運動イメージは、視覚的運動イメージと呼ばれます。
こちらは3人称なので、第3者的に運動する様子を観察するようにイメージするタイプです。
例えば、同様に「バンザイする」という運動を3人称的にイメージする場合、外から見て自分がバンザイしている様子をイメージすることになります。
この二つの分類は重要で、1人称的運動イメージの方が運動制御に関与する脳領域が活動すると言われています。
なので、訓練に取り入れる時は1人称的運動イメージを意識した声掛けや誘導必要になると考えられます。
では、運動イメージを評価する方法はあるのでしょうか。
運動イメージの評価方法として、いくつか質問紙による評価方法があります。
・VMIQ
・VMIQ-2(VMIQの改定版)
・JMIQ-R
・KVIQ(主に脳卒中を対象)
この中でも、JMIQ-RとKVIQは日本語版で質問紙を見ることができるので、ぜひ一度見てみて臨床で使用してみるとよいと思います! ※JMIQ-Rは原著ではないです。論文の後半に資料としてJMIQ-Rの質問紙が載っています
ので参考までに
※KVIQは以下のサイトからダウンロードしました。
京都橘大学ニューロリハビリテーション研究室HP:
原著も上記サイトから見ることができすので、ぜひ確認してみて下さい
※補足
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