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フォークを回転させる動作獲得の為の視点

メンバーの方から面白い質問がありましたので、共有させていただきたいと思います。



【質問内容】

脳梗塞による右片麻痺(Br.stage:上肢、手指Ⅴレベル)対象者の方で、食事動作は自立しているが、スパゲティをフォークで巻き付ける動作だけ困難。どうのような訓練を実施すれば良いか



このような質問を頂きました。片麻痺の方はスパゲティなどの食事の際巻き付ける動作が難しくなるため、麺を掬って食べる方法を選択することが多いかと思いますが、この方は今までのようにスパゲティをフォークで回転させ巻き付けて食べたいという希望があったのかもしれません。



今回は認知症なし、高次脳機能障害なし、感覚障害なし、指示入り良好、主問題は運動機能障害のみということを前提に、いくつか介入方法について考えてみたいと思います。




①道具への介入

まず最初にフォークという道具の特徴を押さえておきたいと思います。




フォークの種類にもよりますが、多くのフォークは持ち手が平べったい作りになっています。


これを回転させようとすると、写真のように中指を屈曲位で固定させながら主運動を示指、補助運動を母指が担うことになるかと思います。


その際狭い接地面(写真中央)から広い支接地面(写真右)への移行が求められるため、この部分で力のコントロールや巧緻性が求められます。


実際に試して頂くとわかりやすいですが、ペンをフォークのように回転させた方が楽かと思います。

ペンは円形なため、基本的に回転させても接地面が一定になります。そのためフォークに比べてコントロールしやすいと考えられます。



なので、この点から介入方法を検討すると、まずは「持ち手の工夫を行う」という介入が考えられます。いわゆる機能面への介入ではなく、道具・環境設定からの介入方法になります。


具体的にはグリップをつけるなどの対応が挙げられますが、おそらく太くなりすぎても回転させ難くなることが予想されます。


そのため、テープなどを巻き付けて持ち手に丸みや太さを出すという対応でも良いかもしれません。





➁機能面への介入



機能面への介入を行う際は、具体的にどの工程においてどこに問題があるかを評価する必要があります。



例えば、


・指の分離

・指の協調性(一本ずつの指の随意性は保持されているが、複数指の運動になると拙劣になる)

・手関節の安定性

・前腕の回内-回外の運動能力

・肩関節、肩甲帯の安定性


などを確認してみると良いかと思います。


例えば、フォークを回転させる巧緻動作を実現させるのは、上肢を空間保持できる能力も求められてきます。


肩の安定性が乏しいと、腕が重くて巧緻動作を上手く実現できないかもしれません。


また、手の掌屈が徐々に強まりながら動きが拙劣になっている時は、手の安定性が乏しいのかもしれません。


また、下の写真のように、麺を巻き付けようとすると前腕回内動作も必要になってきます。


そのため、前腕の運動性も評価する必要があるかもしれません。


このあたりは、定性的な評価になりますが、他の定量的評価とあわせて評価してみるとより分析が進むかもしれませんね。




今回のケースはステージがⅤレベルですので、いずれの問題も当てはまるかもしれませんが、これらを分析して段階付けを行いボトムアップ的に実動作に繋げていくのは、一つの考えかと思います。



あとは、要素分解してボトムアップさせていくだけでなく、実動作を反復するという課題指向要素を積極的に取り入れていくことも、今回の症例では良いかもしれません。



症例に適した介入方法を検討していけるとよいですね。




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