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【先行性随伴性姿勢調節(Anticipatory Postural Adjustments APAs)について】

今日は先行性随伴性姿勢調節(APAs)について書いています。 APAsとは何か。 簡単に言うと、「意図した運動を行う時の先行した姿勢調節のこと」です。

1967年Balen’kiiらによって以下の内容が報告されました。 ・安静立位の状態から一側上肢をできるだけ速く水平位前方へ挙上した際に,主動作筋であ

 る三角筋よりも先行的に,同側の大腿二頭筋と対側の脊柱起立筋に筋放電が出現する

これはどういうことかと言うと。

手を上に挙げるときは、身体重心(COM)が前方へ変位します。そのままだと、身体が前に倒れてしまうので、そうならないように上肢挙上の前に抗重力筋の筋活動が始まります。 Balen'kiiらの報告で言うと、同側大腿二頭筋と対側脊柱起立筋の筋活動という事になります。 この先行した姿勢制御によって安定した立位(COMが足圧中心(COP)上に位置した状態)で手を挙上することができるという事になります。 これは、上肢機能へのアプローチを考える上では臨床上重要なヒントになると思います。 上肢障害に対して上肢だけを介入するのではなく、やはり体幹や股関節、特に抗重力筋の賦活が重要であることが示唆されます。 では、APAsの中枢はどこなのか。 これは補足運動野と言われています。 ・補足運動野を中心とした大脳皮質領域がAPAの神経制御に関与している

(Yoshida S, 2008) 補足運動野は運動のプランニングなどに関わる部分です。 つまり、意図した運動を開始する前に脳の中では先行して運動をする準備が行われ、意図した運動に応じた姿勢制御反応を起こしているという事になるかと思います。 上肢の挙上を例に挙げましたが、下肢でも同様の反応があります。 例えば、安静立位から右足を一歩踏み出す際は、先行して同側の前脛骨筋が放電するという報告があります。 スムーズに歩行ができるのも、常に先行した姿勢制御があるからともいえます。 これらを踏まえると、さらに臨床アイデアが出てきます。 例えば、上肢へのアプローチを考える時、先行して抗重力筋が働くわけですから、臥位でひたすら上肢だけに介入していてはダメな気がしますよね。 座位や立位など抗重力位の環境で体幹が働きやすい状況にて、上肢の活動を行わせる機会を持たせた方が良いのでは?という考えが出てきます。 臨床場面では体幹が大事! まずは土台を整えてから! こう考える人は少なくないかと思います。 特に近年は「体幹」や「骨盤」というワードばかりがフォーカスされるため、一般的にはなんとなくコアマッスルが大事だと考えてしまいがちな風潮もあります。 これらの考えは運動連鎖やバイオメカニクス的な観点で考えても、決して間違いではないかと思いますが、神経的な側面でも、考えられると良いですよね(^^)



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