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股関節内転を臨床で大事にするべき理由


安齋です! 今回は関節の内転運動シリーズということで、股関節の内転運動について書いていきます。 この股関節の内転運動の大事にするべき理由を理解すると

・股関節OA ・膝関節OA ・腰痛

・腰椎疾患 ・スポーツ動作の安定性 臨床においてこれらのことに活かすことができます。 どれも臨床において介入する機会が多いパターンですのでしっかりと説明します! では、本題へ!

【股関節内転運動を大事にする理由:概要】 股関節は3軸性の関節です。本来なら全方向に動けるのが前提となる関節です。 内転角度は他の運動可動域と比較すると小さいですが、そこに携わる筋が重要な役割を持っています。 さらにアナトミートレインから引用するとディープフロントライン(DFL)には股関節の内転筋群があります。 ということは身体の大きな指示をする役割も担っているということです。 【股関節内転運動を大事にする理由:全張力の関係から紐解く】 膝OAを例にします。 膝OAは徐々に外側荷重になることで、膝関節の内側裂隙が狭窄していきます。


外側荷重になることで、大腿骨の外旋や脛骨の外旋が増強されてきて内側裂隙に負担がかかるのは明確ですね。 膝OAの患者さんのためのリハビリとしてよく大腿外側面に位置する筋のコンディショニングや、クラムシェルなどのエクササイズをしている光景をよく目にします。 どうしてそれらをしますか? それは大腿外側面の筋のtoneが上がっているからですし、中殿筋や小殿筋と言った股関節外転筋が筋力低下しているからですよね。 じゃあ、どうしてそもそもtoneが上がって、筋力低下が生じているんですか? toneが上がっているのは、外側荷重だから常時収縮してるからですよね。でも、ということはtoneが上がっているのならむしろ使えているんじゃないですか?常に収縮しているんですよね?しかも、中殿筋なども外側の筋だから筋力低下はしていないのではないですか、、、? と、ここまで疑問に思えるといいかなと思います。 そして、これを解決する1つの手段となるのが 筋の全張力の関係です。


活動張力や静止張、静止張力の兼ね合いにより上記の疑問のような状態になります。 大腿骨が外旋すれば、当然ですが大転子の位置は外側偏移します。 大腿外側面の筋は短縮位になりますし、中殿筋や小殿筋は伸張位になります。 短縮位になれば、静止張よりもさらに筋長が短くになりますので発揮できる力は低下します。 伸張位になれば、静止張よりもさらに伸ばされます。瞬間的に伸ばされるだけであれば静止張力となり力が大きく発揮されますが膝OAの場合は常に伸張されています。となると、筋線維が伸び切ってしまい今度は、十分な弾力がなくなるので力が発揮できなくなります。 つまり、元に戻すためにはその反対の作用となる内転や内旋の動きをしないといけないということです。 だから、股関節の内転運動が大切だし臨床でもクラムシェルといった股関節内旋運動にもなるエクササイズをするべきなのです。 ※余談ですが、クラムシェルは実は難易度それなりに高いです。ちゃんとやろうとするとなかなか動かせないし、そんなに回数をこなせません。臨床で20回以上できる場合はそれは代償動作が出ている可能性が高いです。側臥位での支持基底面や体幹回旋などの代償動作をもう一度見直しするといいです。 【股関節内転運動を大事にする理由:どの筋に対して内転運動をしたらいいか】 臨床で狙うべき筋はこちらです! ・腹斜筋群 ・大内転筋、長内転筋 ・後脛骨筋 ・腓腹筋内側頭 これらの筋に対してエクササイズを入れるといいですね! 腹斜筋や腓腹筋内側頭に関しては単体での動きはできないのでしっかりと連動させていきましょう。 大内転筋や長内転筋、後脛骨筋はしっかりと関節運動を促せば優先的に収縮させることができますので触診をしながらエクササイズを入れましょう。 特に大内転筋、長内転筋、後脛骨筋は代償しやすくなかなか収縮が入らない部位ですのでしっかりと触り分けをしていくと効果が出てきます。 ぜひ臨床で試してください! それでは〜〜。

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