振動感覚は近年その効果について様々報告が出てますね。
安価ですし扱いやすいのも特徴かと思います
振動刺激が身体にもたらす影響の一つに、『痙縮抑制』があります。
これは反復促通療法(いわゆる川平法)などで有名ですが、振動刺激を数分間麻痺側の筋緊張が亢進している筋(例えば肘を曲げる時に作用する上腕二頭筋など)に加えることで、筋緊張が低下する(痙縮が抑制される)という報告があります。
ただ、振動感覚は上手く使わないと逆に筋緊張を亢進させてしまう可能性があります。
いくつかポイントを挙げておくと
①抑制させたい筋は伸張位で振動を当てる
②振動を当てる部位は筋腹ではなく腱部
③3分ほど持続的に充てる(文献により時間は異なるが大体3分程)
振動刺激を筋に加えるとまずは筋収縮が起こります。
これは緊張性振動反射(TVR)といって、筋紡錘が興奮しておこるものです。
振動刺激は筋収縮を促す作用も持つので、上記3点のようなポイントで振動刺激を加えると逆に筋を抑制させることができます。
また、振動刺激のもう一つの作用として、『運動錯覚』を引き起こすことが以前より報告されています。
運動錯覚とは、簡単に言うと、「筋や腱に振動を加えることで関節運動を起こしているような錯覚が生じるという状態」です。
試して頂くとわかりやすいですが、手に振動刺激を与えると、自分では動かしていないのに、指や手首が曲がる感覚が得られると思います。
この感覚を運動錯覚と言います。
この運動錯覚は疼痛の軽減をもたらすといわれており、疼痛を軽減させる目的でリハビリに応用され始めています。
実際の臨床場面でも視床痛の方に対して振動刺激を行うと、いくつかの効果が得られることがあります。
①普段感覚が鈍麻していて薄れていた身体の部位(筋や関節など)に対する認識が強まる(自分の筋や関節がどこにあるか実感できるようになる)
②痛みが緩和する
もちろん、個人差がありますし、感覚障害が重度な方は、逆に振動を加えることで不快感が増してパフォーマンスが下がる方もいます。
他にも振動刺激は半側空間無視や運動失調などにも良い効果があるとの報告もあるので、一つのアプローチとして検討してみると良いかもしれません。
自宅でのケアなんかにも良いと思いますね!
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