今月は膝関節の強化月間です!
今回も膝についてまつわる話を書いていきます。
膝OA患者さんの臨床で、『ラテラルスラスト』というワードはついて回るものです。
歩行の立脚中期に生じる膝関節の外側への横ぶれの現象のことです。
ラテラルスラストが大きいほど膝への負担も大きいし、メカニカルストレスも比例して大きくなります。
実際にどのようにして、ラテラルスラストが生じるのかさっそく知りましょ!
【ラテラルスラストが生じる原因】
ラテラルスラストは、歩行初期のIC〜LR時に起きる踵骨から加わる衝撃を十分に吸収できないために生じます。
吸収できない原因として、
・大殿筋の筋力低下
・大腿筋膜張筋(以下、TFL)のオーバーユース
・下腿三頭筋の筋力低下
・鵞足のオーバーユース
・股関節内転筋群の筋力低下
・中殿筋、小殿筋の筋力低下
これらの原因により、日々の荷重が重心からまっすぐに床に落ちるのではなく外側に存在する外側側副靱帯やTFLに荷重していることが原因です。
靭帯は静的安定化機構なので、持続的にストレスがかかれば耐えられなくなり徐々にその形態は伸張位へと変化します。
靭帯に伸縮性能はありませんので、伸張されればされるほどその本来の機能は失われ、残るは骨性支持に頼るか筋のオーバーユースに頼るかしかなくなります。
【膝OAとラテラルスラストの関連】
膝OAになる原因として大きいのは、体重増加と筋力低下です。
ガイドラインでも推奨grade Aになる1つが有酸素運動による減量です。
どうして体重が必要以上にあるのは、運動不足であることは明確ですね。
運動不足であれば筋力低下は必然です。
(力士は違いますよw)
・運動量低下→筋力低下→体重増加→関節負担の増加→OA進行
となるのが流れです。
筋力低下が起きれば、正常な歩行周期が生じなくなりますので何かしらで代償します。
ラテラルスラストの場合は、LR〜Mstにおいて前方への体重移動時に、十分に伸展方向へ持って行けずに支えられないので外側へ荷重ストレスを逃してしまうのが現象です。
OAとなれば伸展制限がかかりますので悪循環ですね。
【OAにおけるラテラルスラストへの介入】
前提条件として、
OAgradeが軽い状態の方であれば以下の介入方法で改善が可能です。
(grade2以下が対象)
すでにgrade3以上だと大きな改善は見られません。
やるポイントはこちら
・脛骨、大腿骨の回旋コントロール
・後脛骨筋、股関節内転筋群のエクササイズ
・大殿筋のエクササイズ
・骨盤、脊柱の伸展リアライメント
・中殿筋、小殿筋のエクササイズ
下腿三頭筋リリース(特に外側)&エクササイズ
・TFLリリース
まずはこのポイントを介入しましょう。
基本的にエクササイズがメインです。
そもそも身体の使い方に不足があり、代償によって行われている動作なので動作自体の修正が必要です。
欲しい運動方向をしっかりと指導しつつ介入しましょう!
メンタルローテーションがうまくいけば、40分の介入でもかなり変わります!
外来でしたら、一週間分の自主トレメニューを用意して徹底的に患者さんに実施しれもらうことですね。
お試しください!それではーー!
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