以前、適切なフィードバック方法に関して記事を書きました。
そこでは、
・褒める事は重要と考えらられている
・動作や運動の結果に対して、パフォーマンスに対してフィードバックすることは良い一方
で、過剰になると依存を生む可能性もあるため、タイミングや頻度に注意が必要
簡単にまとめると、こんな内容について書きました。
今回は、運動や動作指導する際に身体内部に注意を向けさせた方が良いのか(Internal focus)、身体外部に注意を向けさせた方が良いのか(External focus)について考えていきたいと思います。
例えば、ボールを投げる動作を指導する場面で考えてみます。
ボールを投げる時に、「もっと手首をしなやかに」「腕の振りを大きく」などの指導をする場合はInternal Focusになります。つまり、身体内部に意識を向かせている状態ですね。
一方、「(目標物を提示し)あそこに届くように投げて」などと伝えることはExternal focusになります。身体外部に意識を向けさせることになります。
運動学習などの研究を見ていくと、この二つを比較した時に、身体内部へ意識させる(Internal Focus)よりも身体外部へ意識させる(External focus)方が運動パフォーマンスや運動学習効果が高くなるという報告が多く散見されています。
これは、リハビリや運動指導などでも応用できる一つの見解かと思います。
また、もう少し深く読み解いていくと、「身体外部に意識を向けさせることが運動学習を進める上でとても重要」というわけではなく、「身体内部に意識を向けさせる事が、運動学習を妨げる可能性がある」と解釈できるものもあります。
細かいことは分かっていない事も多いですが、おそらく「手首をもっとこう動かして」「腕をこれくらい振って」など身体内部に意識を向けさせすぎると、過剰な力を生んだりしてしまい結果としてパフォーマンスが低下することなどが考えられます。
なので、指導をするとき、フィードバックをするときは、身体外部に目を向けさせるような目標物を提示したり、環境を利用するなどの工夫はまず必要かと考えます。
しかし、臨床上では、身体内部に意識させた方が、本人の理解を得られやすいケースもよくみかけます。
なので、やはりバランスが必要になってきて難しいですが、こちらの言語指示・教示が運動学習やパフォーマンスに影響が出る可能性があるので、少しでも意識して介入できると良いですよね。
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