安齋です!
寒くなりましたね、いよいよ本格的な冬って感じです。
安齋は寒いのが大の苦手なのできついですw
鍋とか食べたいですよね、、、しゃぶしゃぶもいいなぁ、、、
さて、タイトルにもあるように今回の記事はバランスについて書いていきます。
僕の主観的な感覚ですが臨床で、筋骨格系をベースにバランス機能改善を図るケースは多いと思います。
でも、バランスって筋骨格系だけじゃないですよね?
メインになるのってどこでしたっけ?
中枢神経系じゃん?
こんな感じで進めていきますのでよろしくお願いします!
目次
【バランス機能〜構成要素〜】
【筋骨格系が関与するバランス、平衡感覚】
【体性感覚からの情報処理過程】
【中枢神経系による情報統合】
【中枢神経系による情報統合:小脳〜大脳小脳の役割〜】
【中枢神経系による情報統合:小脳〜前庭小脳の役割〜】
【中枢神経系による情報統合:小脳〜脊髄小脳の役割〜】
【中枢神経系による情報統合:小脳が入力する前庭機能】
【中枢神経系による情報統合:頭部、頸部アライメントが与える影響】
【まとめ】
【バランス機能〜構成要素〜】
バランスといえば、機能的な話になりますがバランスを取るためには平衡感覚が重要になります。
平衡感覚となれば必要となるのは、
・筋骨格系
・感覚処理
・中枢神経系による情報統合
この大別された3つが必要となります。
どれも度外視できません!大切です。
しっかりと紐解いていきましょう!
【筋骨格系が関与するバランス、平衡感覚】
全身のアライメントが関与します。
・頭部アライメント、モビリティ
・頸部アライメント、モビリティ
・胸郭アライメント、モビリティ
・股関節アライメント、モビリティ
・膝関節アライメント、モビリティ
・足関節アライメント、モビリティ
って感じ。
そこに加えて、ストラテジーや筋力があります。
特に必要となるのが
頭部アライメント、頸部アライメント、モビリティ
頭部アライメント、頸部アライメント、モビリティは前庭機能における情報入力の場所なんです!
ここを見れるかどうかでもガラリと変わります。
また、ストラテジーも重要ですね。
・ヒップストラテジー(股関節戦略)
・アンクルストラテジー(足関節戦略)
・ステップストラテジー(踏み出し戦略)
この3つのバランス機能が転倒予防になることを改めて念頭に置きましょう。
【体性感覚からの情報処理過程】
バランス機能には平衡感覚が必須ですね!
一概に平衡感覚と言っても、1つだけじゃないです。
・体性感覚:圧覚、振動覚、触覚、立体認知覚
・特殊感覚:視覚、聴覚、前庭覚
これらが必要となる感覚です。
それぞれが感覚として中枢に入力され、中枢が素早くその情報処理をすることで円滑にバランスを取ることができます。
高齢者になるとルフィニ小体、パチニ小体が先行して感覚閾値が高くなります。
これらは圧覚の感受に関与している受容器ですので、高齢になるほど圧覚に対する反応が遅れるということですね!
高齢者が不整地で転倒しやすい理由の1つがこれになるわけです。
特殊感覚である視覚も転倒リスクにつながる要素の1つです。
これは立体認知覚と連動する場面もありますが、視覚情報を正確に捉えることができないと転倒リスクが高まります。
一般成人でもそうですが、視力の悪い人とそうでない人が裸眼で屋外に出た場合、見えている人の方がつまづきなどの回数は減少します。
それは外部環境をしっかりと視覚的に捉えることができるので、次に来る障害物の形や大きさ特徴などを事前に早い段階で把握することができるので、それに備えて準備することができます。
視力の悪い人は、近くにくるまでそれがどんなものなのかも把握できませんので恐る恐るになります。そして、それに焦点が合ってしまいそこにたどり着くまでの過程で避けるべきポイントなどの把握が遅れるので転倒などに繋がります。
後頭葉の障害が生じた患者さんなどはこの視野を評価する必要がありますね。
【中枢神経系による情報統合】
ここが今回の記事のメインですね!
どんなに正常な速度で感覚が中枢神経系に到達しても、情報統合する中枢が正常でなければ生じる運動が正しくなくなります。
バランス、平衡感覚の中枢は主に小脳です。細かいことを言えば、大脳基底核も関与しますが神経経路の話をするわけじゃないので割愛します。
小脳は以下のように分節されます。
・前庭小脳
・脊髄小脳
・大脳小脳(橋小脳)
1つずつ簡単に説明します!
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
【中枢神経系による情報統合:小脳〜大脳小脳の役割〜】
動物の中でも人が最も発達している小脳部位です!
人は他の動物とは違い、理性を持っています。その理性をもとに生活するにはより細かい運動を調整する必要があります。(書字、蓋を開ける、紐を結ぶなど)
脊髄小脳や前庭小脳でも体幹や四肢の運動調整はしますが、細かい調整は全てこの大脳小脳が担っています。
【中枢神経系による情報統合:小脳〜前庭小脳の役割〜】
内耳から直接的に感覚入力される部位です。
頭部の位置や傾きを基に、姿勢や眼球運動の調節に関与します。
→つまり、ここの障害であれば内耳からの影響を過剰反応してしまうので聴覚刺激による平衡感覚の調整が特に難しくなるということ。また、頭部の位置関係による動揺性の増悪もあるので、頸部の位置が重要となります。この場合、頸部の代償的な安定性を求めようとしてスウェイバックの姿勢になることが多いですね。
あとは内耳からの影響を受ける部位なので、聴覚に異常があるとこの前庭小脳の働きが不十分だったりします。
【中枢神経系による情報統合:小脳〜脊髄小脳の役割〜】
全身の筋肉や腱、圧レセプターからの情報を受け取ってその情報を基に体幹や四肢の運動を調整しています。
つまり、純粋なモーターコントロールする部位ということですね!
【中枢神経系による情報統合:小脳が入力する前庭機能】
小脳が前庭機能に神経伝達すると、次の反射が生じます。
・前庭脊髄反射(体幹が傾いたときに、修正する反射)
・前庭頸反射(頭部頚部が傾いたときに、修正する反射)
・前庭動眼反射(焦点をずらさずに頭部頚部の運動する際に起こる反射)
この3つが代表的な反射となります。
前庭脊髄反射や前庭頚反射は、つまずいたときやふらついたときに生じる反応なのでイメージすることは難しくないと思います。
前庭動眼反射については少し説明します。
これを読んでいる今、やってみてほしいのですが視点をずらさずに頭部や頚部の運動をすることはできますか?
一点を見つめる⇒頚部回旋、頭部屈曲などをしながら視点をずらさないようにする。
どうですか?たぶんできると思います。
これが前庭動眼反射です。
要は、頭部や頚部運動に合わせて眼球運動が入るのがこの反射です!
この反射があることで僕たちは当たり前のように焦点を合わせながら運動することができます。
人通りの多いところで迷うことなく歩けるのはこの反射があるおかげなんですね。もちろん、きちんと見えていることも大切です。
仮にこの反射が障害された場合(=MLF症候群)、片方の眼球が反射がでなくなり焦点を合わせながらの運動が難しくなります。
そうなると、不整地での運動の場合、焦点が合わないので視覚刺激による平衡感覚が乏しくなるので前庭小脳が機能しにくくなります。脊髄小脳や大脳小脳も体幹四肢へのフィードバックが遅延します。
結果的に転倒につながるわけです。
屋外での歩行や運動にはかかせない反射ということですね!
2つの前庭脊髄反射や前庭頚反射も体性感覚に障害が生じるとこれも転倒に繋がります!
この辺の話は次へ。
【中枢神経系による情報統合:頭部、頸部アライメントが与える影響】
さて、少し整形外科的要素も加えます。
人は脳がエンジンですが、エンジンが動かす身体が整っていないと意味ないですね。
合計走行距離が10万を超えた軽自動車にF1のエンジンを搭載したとして、果たして本来のエンジンの役目を果たせるかと言ったら答えは一目瞭然ですね。
これを同じで人もいくら中枢が整っていようともその信号を受け取る身体が整っていることが大切です。
そして、その骨格から得られる情報も当然ですがあります。
それが前庭頸反射と前庭脊髄反射です。
前庭頸反射は頭部、頸部の位置により傾いていることを認識し、その傾いている感覚を小脳に信号を送ることで立ち直る反射のことです。
C1ーC2の動きが硬かったり後頭下筋群がタイトネスになっているとその感覚は感じにくいので信号が遅延または滞ります。
結果、立ち直りが遅延、または消失し転倒するリスクが高くなります。
前庭脊髄反射は体幹の傾きを認識し、傾いている感覚を小脳に信号を送り立ち直る反射です。
この場合は胸郭や股関節、骨盤、足関節などの可動性が大きい関節が関与します。
よく整形外科の部分で体幹が効かないと転倒するなんてよく言われるのは、この前庭脊髄反射が関与するところですね!
【まとめ】
バランス、平衡感覚は筋骨格系だけじゃない、体性感覚と中枢がメイン
バランス、平衡感覚の中枢は主に小脳
前庭動眼反射、前庭頸反射、前庭脊髄反射はバランスに重要
前庭動眼反射において、視力と焦点、頸部運動と安定は必須
いかがだったでしょうか。
改めて神経系を考慮したバランス、平衡感覚について把握してもらえたら幸いです!
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