安齋のコラムです!
今回は中枢神経系をベースにバランス機能に対して考えていこうと思います。
バランス機能に関与するのは、 ・筋骨格系 ・中枢神経系 ・外乱中に生じる動揺制動処理
この3つになります!
今回は中枢神経系をベースに考えるバランス機能について説明します。
【老化による中枢神経系の伝達速度の低下に伴う外乱時に生じる動揺制動の幅】
バランス機能をかみ砕いて表現すると、バランスを崩した際に、どれだけ早く反応できるかどうか、です!
倒れないかどうか、ではないです。どれだけ早く反応できるかどうかです。
反応速度が早いほど、動きが小さくて済みます。予備動作だけで済むから筋力も使わないし楽なんですね。
でも高齢になるとどうしても、神経伝達速度は低下します。これは避けられません。
このメカニズムをざっくり表現すると、
・大脳皮質運動野、小脳皮質の外乱動揺時の神経伝達速度の低下 ・脊柱の可動性低下による上行性ニューロンの速度低下
この2つが原因となり高齢者は外乱時に反応が遅れてしまい転倒となります。
ここに対して運動療法を行う有効性は果たしてあるのかどうかが臨床では大切なところですが、あります!EBMもきちんとあります。
運動学習介入をベースにステップ練習などの反復練習、四肢の素早い運動反復により運動学習によるシナプス機能回復が可能です。
また、振動刺激による遠位部位からの上行性ニューロンの伝達速度が向上しバランス機能改善にも繋がります。
この繰り返しにより、随意的な運動から運動学習により無意識な運動へと変わっていきます。
ただし、いつまでも口頭指示にて運動していると口頭指示(バーバルコマンド)による聴覚への外的刺激にて行われる運動になります。
この場合はいつまでたっても随意的な運動から離れることができませんのでバーバルコマンドが無い状態でも動けるような運動学習内容にする必要がありますね!
まとめると、 ・反復練習により運動学習がされて、バランス機能改善になる。 ・練習時に口頭指示を入れ続けるのではなく、反射的に動けるように指示量などをコントロール。
です!
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