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ソーシャルバイタルサインとは


ソーシャルバイタルサイン(SVS)という考え方が最近提唱されています。


考え方としてリハビリにも共通しており、有用と思いましたので、共有したいと思います。




人びとの健康は個人に寄与するものだけでなく、社会的な要素が非常に重要と考えられています。


健康に影響を与える社会的要因を「健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health:SDH)」と呼びます。


SDHに関しては、別の記事「社会的な健康とは何か」 をご参照ください。




このSDHという考えはリハビリにおいても非常に重要だと思っています。


例えば病気を発症後、リハビリを行い無事退院できたとしても、この方の社会的側面の課題が解決されていないと、退院後健康に生活を送り続けることが出来ない可能性があるからです。


では、どのように社会的な課題を評価すれば良いのでしょうか。


その一つの方法として、ソーシャルバイタルサイン(SVS)という考えが提唱され、少しずつ普及活動が行われています。



ソーシャルバイタルサイン(以下、SVS)とは、「人間らしく生活している証を示すものであり、社会的な情報・兆候」のことを指すようです。



現在、医師・看護師など有志で構成されたTeam SAILという団体が精力的にSVSについて発信をしており、その中でSVSの聴取項目として、以下を挙げています。




頭文字を取り、「HEALTH+P」が対象者のSVSを把握する項目として挙げられています。



リハビリ職種はICF分析の視点があるため、ICFの「環境」や「個人因子」の部分において、実はこれらの項目は概ね聴取していることが多いと思います。


しかし、環境などはなかなか直接的な介入が難しい為、リハビリでは、「心身機能」や「活動」「参加」に重きを置くことが多いかと思います。


最近は特に在宅などでは、環境因子への介入意識が地域包括なども中心となり、高まっています。


急性期や回復期においても、対象者の長期ゴールを見据える上で大事な視点になると思いますので、ICFに加えて、HEALTH+Pでスクリーニングしてもよさそうですね。


興味があれば、活用してみましょう




【参考】

Mizumoto J, et al. Social vital signs for improving awareness about social determinants of health. J Gen Fam Med. 2019 May 2;20(4):164-165.





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