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ばね指に対するアプローチ

ばね指に対する質問がありましたので、共有したいと思います。



【ばね指(弾発指)とは】


ご存じの通り、指は腱によって曲げ伸ばしをすることができます。手を握ったりする強い力を発揮する筋肉は前腕にありその力を腱が伝えます。

屈筋腱が浮き上がらないように押さえているのが靱帯性腱鞘と呼ばれるものですが、屈筋腱や腱鞘が炎症を起こし、“腱鞘炎”になり、さらに進行すると引っ掛かりが生じることで、ばね現象が起こります。 これを“ばね指”と呼んでいます。

(引用:日本整形外科学会HPより)



通常、指の使いすぎなどによる過負荷などの原因で、腱鞘が肥厚したり、腱が肥大し、通過障害を起こすことで、一層症状が悪化すると考えられています。



【ばね指(弾発指)に対する保存療法としてのストレッチの有効性】


ばね指に対して、ストレッチの有効性が示唆されています(千葉ら.日手会誌 31: 935-940, 2015


ストレッチとしては、屈筋腱のストレッチと腱鞘(A1 pulley)ストレッチの有効性が示唆されています。


A1 pulley ストレッチ(示指~小指)


・手関節軽度背屈位

・MP・PIP 関節90°程度屈曲

・DIP関節伸展位で母指球と指腹でブロック等を握り、屈筋腱を最大収縮させる



A1 pulley ストレッチ(母指)


・手関節軽度背屈位

・MP 関節最大屈曲位

・IP関節伸展位(または軽度屈曲位)にて等尺性収縮



屈筋腱 ストレッチ


・手関節背屈位

・MP・IP 関節を他動伸展




頻度は1回30秒、1日10回が一つの目安になります。


継続していくことで、A1 pulleyの内腔が拡大しばね指が改善する可能性が考えられています。



まだまだ今後の研究の経過を追っていきたいですが、自主トレとしても提案しやすいので、リハビリプログラムの参考にしたい内容ですね。


【参考文献】

Yamazaki et al. A1 pulley stretching treats trigger finger: A1 pulley luminal region under digital flexor tendon traction.2020. Clinical Biomechanics 72 : 136-140.

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