今回は大胸筋についてです
まずは起始停止をおさらい。
<起始>
鎖骨内側1/2
胸骨
第1~7肋軟骨
腹直筋鞘前葉
<停止>
上腕骨大結節稜
大胸筋は鎖骨部、胸肋部、腹部の3つに分けられ、肩関節のポジションによって作用が異なります。
<1st position>
●鎖骨部:肩関節屈曲、内転、内旋
●胸肋部:肩関節内転、内旋
●腹部:特別機能せず
<2nd position>
●鎖骨部:肩関節水平屈曲
●胸肋部:肩関節水平屈曲、内転、内旋
●腹部:肩関節水平屈曲、内転、内旋
<3rd position>
●鎖骨部:肩関節水平屈曲
●胸肋部:肩関節水平屈曲、伸展、内旋
●腹部:肩関節水平屈曲、伸展、内旋
大胸筋は停止部が特徴的です。よく言われていますが停止部が捻じれて付着しています。
荒川高光:大胸筋と小胸筋の筋線維の走行からみた運動療法. 理学療法学. 2010; 37,4: 263-265. より引用
上の図を見てもわかるように、鎖骨部の下に胸肋部が入りこみ、腹部繊維がさらにその下に入り込むという構造になっています。
この捻じれは、肩関節屈曲90度で解消され繊維走行が揃うと言われています。
なぜ、このような構造になっているかは明らかではありませんが、一説によると四つ足動物の名残だと言われていますね。。
四つ足の場合は肩屈曲90度が基本肢位に近くなるので、そこから二足歩行になるに従い上肢が下垂して捻じれた・・など
<臨床応用>
構造的を改めて見ると、大胸筋と一括りにせずそれぞれの走行に沿った評価とアプローチが必要だと思います。
また、滑走性は悪くなりそうなので、肩屈曲90度での運動エクササイズは効果的かもしれません。
肩の痛みがある人が肩屈曲90度で上肢の重さを取ってあげると楽になる人がいますが、大胸筋の構造も影響しているのかもしれませんね。そんなことを思いました!
臨床に生かしていきましょう
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