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執筆者の写真リハビリスクエア【リハスク】

myodural bridgeとは?

「myodural bridge」という言葉をしってますか?


訳すと”筋硬膜橋”となりますが、まだ日本語での論文はほとんどないです。


fasciaの訳が正確には筋膜ではないように、まだ正しい日本語がない状態ですね。



myodural bridgeとは、簡単に言うと、筋と硬膜の連結部のことです。



MDB:myodural bridge

図は、大後頭直筋と下頭斜筋の筋膜から伸び、C1-C2間の頸部硬膜後面と連結する様子を表している。


引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24932022/





近年、特に解剖の研究で後頭下筋群と硬膜との連結があることを示唆される論文が出てきていますので、紹介しておこうと思います。


紹介する論文はこちら



【研究デザイン】

システマティックレビュー


【目的】

首の筋肉と頸部硬膜の間の軟組織接続の存在を解明すること


【方法】

検索は、PubMed、Web of Science、Cochrane Library、およびPEDroデータベースで実行されました。頸部筋肉と硬膜の間の非術後軟組織の連続性に関する元のデータを報告する研究がレビューされました。2人のレビューアが独自に記事を選択し、3人目のレビューアが意見の不一致を解決しました。別の2人の研究者は、研究の方法論、解剖学的所見を抽出し、死体研究スケールの品質評価を使用して研究の品質を評価しました。別の3番目の研究者が意見の不一致を解決しました。

【結果】

26の研究が含まれました。小後頭直筋、大後頭直筋、および下頭斜筋間の軟組織の接続は、それぞれの強力なレベルの証拠で証明されました。

項靭帯による硬膜と僧帽筋上部、小菱形筋、上後鋸筋、頭板状筋の間の通信の可能性については議論が求められます。前頭直筋と硬膜の間に軟組織の接続が存在するという証拠は限られています。

【結論】

頸部の筋肉組織と頸部の硬膜の間には軟組織の連続性があります。これは、生理学的、病態生理学的、および治療的意味を持ち、頭頸部障害におけるいくつかの治療法の効果を説明するために何らかの方法で進む可能性があります。





RCPmi:小後頭直筋  RCPma:大後頭直筋  OCI:下頭斜筋  LN:項靭帯 

 RCA:前頭直筋





【臨床への応用】

この論文や他の論文でも触れられていますが、MDBは頭痛(特に慢性頭痛)との繋がりなどが関与していることが可能性として考えられています。

よく緊張性頭痛の方などは、後頭下筋群を押圧すると頭に痛みが飛ぶ人が居ます。

今までは、トリガーポイントや関連通などと言われていましたが、その原因の一つに関わっている気がして、個人的に興味を持ちました。

以前も後頭下筋群に関してコラムを書きましたが、感覚器としても結合組織の連結としても重要な場所ですので、触診は大事だと思いました!




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