何回かに分けて脊椎レントゲンの見方について書いていきます。
なぜ脊椎か。
それは、単純に私が脊椎を見る機会が多かったからですw
他の画像についても後々触れていければと思っていますが、まずは脊椎からです!
画像はとっても有用な情報になります。 病院やクリニックで勤務していれば勿論ですが、在宅や自費分野でも患者さんがレントゲン画像を持参しているケースもあるかと思います。
その時に、どこを見るべきか理解があると、介入する上での参考になりますし、リスクマネジメントにも繋がりますよね。
今回は、概要編ということで、画像を見る上での基本ポイントについて説明していきたいと思います!
目次
①レントゲンはABCSルールで見よう
②正常構造を理解し、異常所見を知る
①レントゲンはABCSルールで見よう
レントゲンを見る時はABCSルールで見ていくと分かりやすいです。
ABCSとは以下の頭文字を取っています
A:Alignment (配列) B:Bone (骨) C:Cartilage (軟骨) S:Soft tissue (軟部組織)
A:Alignment(配列) いわゆるアライメント。位置関係ですね。例えば、頸椎や腰椎だと前弯角度とか、ラインの連続性(次回解説します)とか、すべり症の有無などがここに含まれます。
B:Bone(骨) 骨組織についてです。骨皮質の連続性、骨梁の乱れ、濃度、骨棘の有無などを見ていきます。 骨折の有無、骨棘の有無、骨密度は年齢相応か、腫瘍の疑いはないのか。 こういったことがわかります
C:Cartilage(軟骨)
軟骨、関節に関する部分です。椎間板の高さが主に見るポイントになるかと思います。後は、頸椎などの場合はルシュカ関節なども見れますのでチェックポイントになりますね
S:Soft tissue(軟部組織) Sは軟部組織ですね。例えば頸椎側面像では、気管や咽頭などが見れるため、その幅などを見る必要があります。また、腹部レントゲン・腰椎前後像では、psoas lineが見れます。日本語訳で腸腰筋陰影ですね。psoas lineが不鮮明の場合、後腹膜の占拠性病変を示唆されるため重要です。ただ、肥満の方は見えない事があるので、両側で比較して明らかな不鮮明がないかを確認する必要があります。 腰椎のレントゲンでは、腰椎に目が向きやすいですが、こういった軟部組織も一緒に見れておくと良いですよね
②正常構造を理解し、異常所見を知る ABCSルールについて理解した後は、実際に見ていきます。レントゲンに限らず脳画像のCTやMRIもそうですが、とにかく慣れるまで数を見るしかないです! そして、まずは画像上の正常構造を知ることが大切です。画像上の解剖構造を理解しておけば、異常所見があった場合、「あれ、ここおかしいな」と違和感を覚えるはずです。
ということで、次回は頸椎の画像から正常構造を理解し、見るポイントについて説明していきたいと思います。
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