今回もまずは記事をタップしていただきまして、ありがとうございます!
さて、今回のタイトルはおそらくセラピストなら誰しもが当たり前のように思っていることであり、”今さら”考えたこともなかったものでしょう。
ね?
なぜ、膝OAの患者さんの外側広筋は固くなるのか。
なんて考えたことないですよね。
考えたとしてもいいところ、”外側に荷重が偏っているから”くらいが妥当なところ。
事実、セラピスト歴2年目の12月までは僕もそう考えていました。
ある時、ふと手にした参考書が面白くてどんどん解剖学と運動学にのめり込んだんですね。今でも勉強中なのですが、やっぱり基礎となる解剖学と運動学は面白い!そしてそこに生理学も追加するとさらに面白みが増します!
そんな面白さの中に膝OA患者の外側広筋が固くなる理由がありました。
今回の記事は、外側広筋が固くなる理由についてお伝えします。
・膝関節の構造
・膝蓋骨の滑車機能と大腿四頭筋の機能
・外側広筋について〜基礎知識とリラクセーション〜
・膝関節の構造
膝関節は、大体脛骨関節と膝蓋大腿関節から構成される複合関節です。膝蓋大腿関節は膝蓋骨と大腿骨の膝蓋関節面から構成されています。
膝蓋骨は人体の最大の種子骨で、大腿四頭筋の張力を脛骨に伝達しています。大腿四頭筋は2関節筋である大腿直筋と外側広筋、中間広筋、内側広筋にて構成されており、膝蓋骨を介して脛骨粗面に付着します。大腿骨は生理的外反があります。
余談ですが、実は大腿四頭筋は大腿五頭筋と呼んでもいいのでは?と言われています。膝関節筋が中間広筋のすぐそばにあり、コンパートメント的にも含まれる部分に局在しているためです。しかし、膝関節筋は非常に小さいのとその作用ははっきり言って補助の補助くらいの関係なので、臨床的には必要なん?という感じになっています。
・膝蓋骨の滑車機能と大腿四頭筋の機能
大腿四頭筋が膝蓋骨を介さずに脛骨に付着すると、どうなるかご存知ですか?
脛骨に対する外反ベルトルがかかり、大腿四頭筋の張力が脛骨の伸展に効率的に変換されなくなります。膝蓋骨が滑車としてベクトル方向を変換することで、大腿四頭筋の伸展作用を脛骨に効率的に伝達しています。
要は、膝蓋骨を介さずにそのまま脛骨に付着すると、円滑な膝関節伸展ができなくなるということです。
膝蓋骨は大腿脛骨関節の直上に位置していて、膝蓋骨があることで大腿脛骨関節が円滑に関節運動を行うことができるんです。
膝蓋骨が滑車機能を十分に発揮するためには、膝蓋骨を大腿骨に対して固定する必要があります。そのため、膝蓋骨の関節面は凸になっているのに対して、大腿骨の膝蓋面は凹面になっていて、適合性が高い状態になっています。この適合性は、大腿四頭筋の張力が発生することでさらに高まります。特に足部が床面に固定された状態で、膝関節屈曲位となり、大腿四頭筋の強い聴力が加わると、膝蓋骨を大腿骨に押し付ける作用が強くなります。
・外側広筋について
さて、いよいよ今回の記事のメインテーマです。
膝OAの患者さんって大概が大腿外側が固くなっていますよね。
そこの硬さにより、歩きにくさが生じているから外側に対してリラクセーションをかけたりすることが主流なわけです。
外側へのアプローチは確かに必要です。
事実、外側へのアプローチにより症状改善するケースが多いですし、文献でも検索するといくつか外側の筋群へのアプローチが膝OAの介入において必要だと示している文献がありますからね。
でも、なぜ外側広筋には特に有効なのでしょうか。
大腿筋膜張筋だってあるじゃないですか。
でもなあぜ?
答えはちゃんとあります。
それは膝関節屈曲時の外側広筋の動きにヒントがあります。
外側広筋は膝関節伸展に作用します。
外側広筋は膝関節屈曲時に、後内側に滑走するんですが、要は膝関節を自動屈曲させると大腿部の近位+内側に滑走するわけです。解剖学的には、大腿骨外側唇の方に近づくって感じです。
ということは?
膝関節の伸展時は?
そう、逆作用の効果が入るので、外側広筋に対して相反抑制が入ります。
この相反抑制を利用して、さらにアプローチを加えます。
膝関節屈曲をさせつつ、外側広筋を圧迫します。
圧迫の仕方は指圧ではなく、手掌面で圧迫していきます。
やり方全体像
・患者さん:背臥位
・膝関節を他動屈曲+手掌面で外側広筋を圧迫
・反復する
です!ぜひおためしください。
さてさて、こんな感じの内容でしたがいかがだったでしょうか。
膝関節は非常に奥が深いのでもっともっとお伝えしたいことがあります!
・もっと深く知りたいよ!
・詳しく教えてほしい!
・膝関節について勉強したい!
・臨床で膝関節に悩んでいるから深く教えてほしい!
そんな希望がある方はぜひこちらもご覧いただけると嬉しいです!
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