今日は足部についてです。
こちらの論文を基に足のコアシステムについて2回に分けて書いていきたいと思います。
この論文で、Mckeonらは、Foot Core Systemというものを定義しています。
Foot Core Systemとは、「Passive Subsystem」「Active Subsystem」「Neural Subsystem」の3つのサブシステムが相互作用し形成するとされています。
コアと聞くと、体幹を思い浮かべますが、Panjabiらが1992年に脊柱のコアシステムについて、この3つのサブシステムの重要性を報告しています。
今回紹介するFoot Core Systemは、その脊柱のコアシステムの概念を足部に適用・拡大させた解釈ということになります。
【3つのサブシステム】
●Passive subsystem
骨・靭帯・関節包で構成される解剖的な機能構造のこと。これらは、4つのアーチを構成し荷重負荷に柔軟に適応する半ドームを形成している。
Passive Subsystemは、主に足底腱膜及び足底靭帯を含む構造(※下図)によってサポートされていると考えられていたが、動的サポートは次に紹介する内在筋や外在筋によるアクティブサポートによって提供される
●Active Subsystem
足部の筋及び腱で構成される。足部の安定化には内在筋が関与する。内在筋は4層で構成されており、最初の2層は内側・外側縦アーチの形成に関与している。また、深層の2層は前後の横アーチに関与している。
<1層>
1.母趾外転筋 2.短趾屈筋 3.小指外転筋
<2層>
4.足底方形筋 5.虫様筋
<3層>
6.短小指屈筋 7a.母指内転筋(斜頭) 7b.母指内転筋(横頭) 8.短母趾屈筋
<4層>
9.底側骨間筋 10.背側骨間筋 11.短趾伸筋
外在筋は、長い腱を介して内在筋によって安定されている足の構造を変調させる働きがある。例えば、下腿三頭筋腱の緊張により、踵骨を介して足底腱膜に変化が出るなど。
●Neural subsystem
Passive SubsystemとActive Subsystemに含まれる、足底筋膜、靭帯、関節包、筋肉、腱などの感覚受容器により形成されている。
特に足底皮膚受容器は歩行とバランス機能にとって重要な影響を与えることがこれまでも報告されている。
【臨床への応用】
足部にもコアシステムの概念が提唱されており、これらのシステムと構造をまず理解することが大事と思われる。
例えば、足部機能を高めたいと思った場合、どのサブシステムで主に問題が生じているのか、構造的破綻なのか、機能的低下なのか。
これらを精査するきっかけになるかもしれないと思いました(^^)
明日に続きます
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