ちょっと難しい話をします!
???
ってなった方はぜひコメントをください!
足部に対するアプローチをする際に必ず頭の隅に置いていただきたいのが前足部荷重した際の荷重点と力点に掛かる力の大きさについてです。
物理学の話になりますが、苦手意識を捨ててみてくださいね。
前足部荷重は足部機能において重要なポイントとなるパフォーマンスの1つです。
前足部荷重が必要となるポイントはこちらです。
階段昇段/ランニング動作/カーフレイズ/ジャンプ
ADL上にて最大のポイントとなるのは階段昇降ですね。
今回の内容をしっかりと理解すると膝OAの階段昇降時における疼痛も改善できる方法が少し分かります。
【テコの原理とアームレバー】
ちょっと事前説明しますね。
テコの原理:てこの原理は、力点に力を加え、支点を中心とした回転運動により、作用点に大きな力を加えることができる原理です。
第一のテコの原理:第1種てこの原理は、力点と作用点を結んだ間に支点を置いたかたち。
第二のテコの原理:第2種てこの原理は、支点と力点を結んだ間に作用点があるかたち。
第三のテコの原理:第3種てこの原理は、支点と作用点を結んだ間に力点を置いたかたち。
このようにそれぞれ、作用点、力点、支点が移り変わります。
今回の前足部荷重におけるテコの原理は第一のテコの原理です。
作用点、支点、力点のそれぞれを簡単に説明します。
【作用点】
荷重ポイントです。
足趾が機能するとウィンドラス機構が安定します。
安定すると、踵骨がしっかりとmobilityjtとして機能するので下腿三頭筋が機能します。
【支点】
荷重軸となります。この場合、荷重ポイントではなく荷重するための軸と捉えてください。
【力点】
カーフレイズをするために必要な下腿三頭筋である腓腹筋、ヒラメ筋が働く点です。
【前足部に荷重するとどのように負荷がかかるのか】
さて、本題です。
前足部に荷重するとどのようになるか、の話です。
例えば、カーフレイズにて前足部に荷重させたい対象者が60kgだとします。
当然ですが、作用点にはそのまま60kgかかります。
支点と力点にはどのようにかかるでしょうか。
この時、支点からの距離に比例します。
力点から支点の距離:支点から作用点の距離=1:2
大半のカーフレイズがこの距離になります。
画像での表記が完全に逆でごめんなさい、、、
つまり、作用点に60kgかかりますので支点にはその倍である120kgかかります。
さらに力点には合計値の180kgがかかります。
簡単に言うと、
体重60kgの人がカーフレイズしようとすると180kgを上げられる力が下腿三頭筋に求められると言うことです!
【これを膝OAの患者さんが訴える膝痛に当てはめる】
ここまでを理解すると階段昇降時の膝痛に対しても少し理解がしやすいのではないかと思います。
もちろん、これだけが全ての問題解決になるわけではないですが1つの解決策として捉えてください。
膝OAの患者さんはそのほとんどが階段昇降時の膝痛を訴えます。
膝の構造的問題もありますが、その構造により腓腹筋外側頭ばかり優先的に使用してしまい内側頭とヒラメ筋はほとんど機能しません。
先ほどもお伝えしたように体重の3倍、引き上げるための筋力が必要となりますので単純に腓腹筋の内外側、ヒラメ筋で3等分その働きを担うものとしましょう。
でも、内側頭とヒラメ筋は機能しないので、事実上その負担を全て外側頭が担わないといけません。
でも、これって完全にオーバーユースですよね?
となれば、あとはやっぱり膝関節の内反を強めて外側靭帯やTFLに荷重したりしてカバーしますね。
でもカバーし切れないから、結局疼痛が生じる。
はい、だから膝OAの患者さんて外側の筋肉がガチガチだし内反を強めているから膝の内側を痛がるわけです。
と言うことは、
しっかりとカーフレイズできるように指導しないといけないしリアライメントしないといけないし、そもそも下腿三頭筋を鍛えないといけないね?って話なんです。
【まとめ】
前足部荷重は第一のテコの原理
前足部荷重すると前足部には体重の2倍、力点である踵骨には3倍かかる
膝痛を訴える患者さんには下腿三頭筋をしっかりと運動療法を入れる
です!
みなさん、臨床頑張りましょ!!!!
それではーーー!!
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