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執筆者の写真リハビリスクエア【リハスク】

口腔顔面失行へのアプローチ


先日、サロン会員の方から口腔顔面失行に関するアプローチについて質問がありましたので、シェアしたいと思います!!


臨床で見る機会がそこまでないかもしれませんが、参考にしてみてください^ ^


まず口腔顔面失行は他と比べても症状の発生頻度がそこまで多くないこともあり、調べた限り確立された治療法はまだなさそうです。論文も少ないですね。



2021年の論文でケースレポートが見つかりましたので、今回はその内容をシェアしたいと思います。



簡単に概略を説明しますと、 ケースは58歳男性で髄膜腫により口腔顔面失行を呈した方です。


この論文では、口腔顔面失行の評価として、The Upper and Lower Face Apraxia Test (ULFAT)というものを使用しています。


この評価法に関して、私もあまり詳しくないですが、顔面部分を上下に分けて上部では顔面神経と動眼神経、下部では三叉神経、舌咽神経を評価するものです。


そして、介入には運動観察療法とバーチャルリアリティを使っています。 運動観察療法では、笑顔、キス、口の横方向の角度、眉毛の上昇、額のしわなどの映像を見せて(論文では機器を使っています)、バーチャルリアリティでは、患者の顔の動きがアバターとして画面に映る特定の機器を使い、自発的な顔面口腔の運動をしてもらい、アバターを通してフィードバックを得るという内容になっています。



これらの介入を実施したところ、口腔顔面失行が改善した(ULFATの値が向上した)という報告です。



この報告内容をそのまま臨床に応用するのはハード面から難しいと思いますが、応用できる部分はあるかと思います。



例えば、本人に獲得してもらいたい口腔の動きをセラピストが行うのを見てもらい、その後自発的に実施してもらう(運動観察療法)。


本人が実際に動かす口腔の動きをビデオに撮り、目標とする動きとの違いを視覚的にフィードバックさせながら、修正出来るようにする。


などがアプローチ案として考えられるかと思います。


失行症の病態として、感覚統合や身体図式の問題が挙げられますが、そういった事も踏まえると、今回の口腔顔面失行に対する報告も有効的な介入として期待できるかもしれません。



もし、臨床で出会う事がありましたら参考にしてみてください!



参考論文:

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33642888/

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