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執筆者の写真リハビリスクエア【リハスク】

頸椎レントゲンの解剖

今回は、頸椎のレントゲンについて説明しています。


レントゲンを見る際は、基本的なX線解剖を知っておく必要がありますので、解剖について説明していきます。



前後像


まずは、前後像でどれが頸椎何番目かを知らなければなりませんね。


この時に注意したい事は、上からC1と安易にしないことです。基本的に一番上に見えるのはC2です。


第一肋骨が見えているため、そこと連結している部分がT1となります。そこから、上にC7、C6・・・・という様に数えていくとより確実です。




これは同じ画像です。

では、次に押さえておきたい解剖位置を確認しましょう!


①(C7)棘突起 ②(C7)椎弓板 ③(C6)椎弓根 ④(C7)横突起 ⑤(C4-5)鉤状関節(ルシュカ関節) ⑥(C5-6 )椎間板(腔) ⑦(C4)椎体 ⑧後頭骨 ⑨下顎骨


前後像ではあまり、多くの情報は得られにくいです。前後像では、本来みられる解剖学的構造がしっかりと見えているか、椎体の数は7個か肋骨はT1から出ているかなどを観察できれば良いと思います。 まれにC7から肋骨が出ている場合がありますが、それ頸肋と呼ばれるもので、胸郭出口症候群の原因の一つにもなり得ますので、見落とさない事が重要となります。



側面像


では、続いて側面像を見ていきましょう。


側面像で頸椎何番目かのレベルを見ていくときには、赤で囲ったC2歯突起を見つけることが大事ですね。


C2を見つけて、そこからC3、C4・・・・と番号を付けていきます。



では、解剖学的構造をみていきましょう。


①環椎後結節 ②環椎後弓 ③環椎外側塊 ④環椎前弓 ⑤(C4)椎体 ⑥(C6-7)椎間板(腔) ⑦(C4)articular pillar ⑧(C4)椎間板 ⑨(C4)棘突起 ⑩(C5)下関節突起 ⑪(C6)上関節突起 ⑫(C5-6)椎間関節 ⑬(C5)横突起 ⑭舌骨 ⑮喉頭蓋 ⑯気管 側面は解剖学的構造だけでも、色々なものが見れます!

重要なものは、赤で囲ったarticula pillarですかね。日本語では関節柱と訳されたりする部分です。


上が上関節突起、下が下関節突起になっている部分で、骨折や脱臼の際この部位に異常が見られやすいです。


また、側面像では、舌骨や喉頭蓋なども見れます。舌骨は大体C3の前方あたりに位置しています。 前後像では見れなかった環椎も側面像ではよく見えます。 そして、環椎をしっかりとチェックする事が側面像において一つ重要なポイントになります。



開口位像




これは、開口位像と言います。

必要な時に撮影するものなので、あまり見ることは少ないかもしれませんので、簡単に説明していきますね。


開口位像なので、口を開けて撮影するわけですが、どこを見るかと言うとズバリC1、C2です!


例えば、外傷などで上位頸椎の損傷(骨折など)が疑われる場合や、環軸関節回旋位固定が疑われる場合に撮影することが多いです。


ちなみに環軸関節回旋位固定というのは、子供に多い疾患で首をひねったりした後に、首が曲がったまま(傾いたまま)動かせなくなり、固まってしまう状態のことです。


この時、開口位像を撮影します。


子どものときは、環軸関節周囲の組織がまだ未熟で柔らかく、亜脱臼しやすいことが原因として考えられているそうですね。


余談でしたw

では、一応解剖を確認していきましょう




①環椎外側塊 ②環椎横突起 ③軸椎歯突起 ④環椎横突孔 ⑤外側環軸関節


主要な解剖はこの辺りでしょうか。


とりあえず、ポイントは歯突起が折れていないか、曲がっていないか、こういった点を見ると良いと思います。開口位像を撮影する時点で、それを疑って撮影しているケースが多いはずですので!




斜位像


では、次は斜位像です!




斜位像は、前後像・側面像と一緒に撮影されていることが多いと思います。では解剖を見ていきましょう!




①C4-C5椎間孔 ②C5椎弓板 ③第一肋骨 ④C5椎弓根 ⑤気管



斜位像は側面像と同様に、もっと見るポイントはありますが、側面像を参考にすればわかる部分もあると思うので、絞っています


斜位像のポイントは何と言っても、椎間孔です!

この穴が狭いかどうかは、すなわち神経が圧迫されているかどうかに繋がりますので、リハビリにおいても重要な見るポイントですね!



側面像屈曲位、伸展位像




最後にもう一つ側面像の屈曲位、伸展位像というのがあります。 これは、おそらく開口位と一緒で目的がないと撮影されないことも多いのではないかと思います。


では何の目的で撮影するか?

例えば、神経症状が出ている場合ですね。例えばすべり症などあると、屈曲・伸展をすると、すべりの椎体がズレて見えます。この様に頸椎の不安定性を評価する目的で撮影することが多いと思います。後は、リウマチなんかでも環椎横靭帯が不安定になると言われていますよね。こういう時も不安定性をチェックする為に撮影する事があると思います

解剖は側面像の部分を参照ください!




以上、簡単に頸椎レントゲンの解剖確認でした!




参考にしてみて下さい(^^

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