
リハスク運営の安齋です!
今まできた質問をまとめて一気に皆さんに公開しようかと思います!
もちろん、質問してくださった方々のお名前や個人情報に繋がるものは一切隠して記事にさせていただきます。
これを読んで、明日からの臨床に繋がると僕たち運営も楽しいです!
いろんな質問をいただいていますのでちょっとずつ書いていきますね!
今回はサロンメンバーの方の質問についてピックアップさせていただきました。
質問〜足関節OAに対する臨床思考〜
Q.足関節OAの方がいらっしゃるのですが、距腿関節をプレートで固定するopeをしています。その術後の成績などが載っている文献を探してます。距腿関節プレート固定術後の方で、足関節の可動域の目標値や術前のADLと比較して改善する動作、困難になってしまう動作について知りたい。
患者情報
疾患:足関節OA 距腿関節プレート固定術後
体重が重くBMIは31.4
という方の質問がありました。
ここでまず足関節OAなんてあったのね、なんて思う方もいらっしゃるかと思います。
そうです、実はあるんです。
症例数が少ないのと研究の題材にならない症例のためあまり文献的にもないものです。
研究されない理由はいくつかあって、
・足関節の評価方法がそもそも客観性に乏しい。
・数値化される評価が少ない。
・荷重位と非荷重位でのアライメントが変わりすぎる。
・股関節、膝関節の影響を受けやすい。
などの理由があるために研究しても題材としてかなり手間がかかるものなのでテーマになりにくいですね。
なので療法士の評価も総合的に捉えて判断しないといけません。
・術前評価(ADLや身体機能)
・術後評価(ADLや身体機能)
・本人の運動や身体に対する向き合い方
この3点が大事です!
今回は、改善すべき動作などをということでしたので以下の回答してます!
A.
可動域の目標値ですが、固定部位によります。踵骨ー脛骨であれば可動域制限がかかってしまう可能性があります。現段階では明確な可動域の目標値はお伝えできかねます。
【改善する動作】
股関節、体幹の伸展と回旋可動域は必須です。そして今後、膝OAになる可能性が非常に高いので膝へのメカニカルストレス改善のアプローチをお願い致します。現段階で、膝痛があれば優先事項は高いです。まだ訴えがないのであれば、股関節のコントロールをメインアプローチとしてください。特に伸展、回旋を立位で行うのが必要です。
【困難となる動作】
歩行において動作の一部制限が掛かることが予測されます。背屈は制限掛かってきますので、立脚後期が出にくくなる可能性があります。なので、余計に股関節の伸展可動域と荷重状態での伸展筋エクササイズが必要です。
こんな感じで運営の安齋は回答しています。
ここで疑問が生じますね。
①現段階での明確な可動域の目標値がなぜ伝えられないのか
②膝OAになる可能性がどうして高いのか
③なぜ股関節コントロールのアプローチをメインとするのか
④困難となる動作で、背屈制限がかかるのはなぜ?
こんなところでしょうか。
1つ1つ解説します!

①現段階での明確な可動域の目標値がなぜ伝えられないのか
これ、大事ですよね。
どうして伝えられないのか、実際にopeしたドクターと話をしてないのが一番です。
どうしてもopeDr.と話せないと今後の予後予測もズレが生じてしまいます。
リウマチは無いそうですが、DMの可能性もあるので術後の回復程度が良く無い場合もあります。下手に動かしてしまって炎症が遅延化するのも回避しないといけません。
②膝OAになる可能性がどうして高いのか
足関節は立位時に身体の荷重がかかる唯一の部位です。
そこが障害されていとなると少なからず荷重回避をしようとします。
そして患者さんの体重も重い。
となると圧倒的に膝に負担が掛かってきます。
ここに加えて運動習慣がない場合だと股関節からの運動もおそらく難しい。
こうなると膝OAになるリスクというのは高いのです。
③なぜ股関節アプローチをメインとするのか
どうして股関節コントロールが必要かと言うと、
体幹と下肢を繋ぐ唯一の関節で一番大きい関節のため、動かす筋も大きいから身体安定性や身体負担を軽減できるからです!
股関節はとにかく大切なんですよ。
腸腰筋があるから体幹インナーマッスルが効くようになるし、
大殿筋があるから脊柱が支えられて身体が安定するし、
中殿筋、小殿筋があるから動作時に動揺しないようになるし、
深層外旋六筋があるから安定した立位が取れるし、
股関節が使えると股関節戦略で運動することができるので身体機能も維持できるし、
とにかく股関節が正常に動くことは生活をするにおいて利点しかないんです!
ある文献では大殿筋の筋量があると健康寿命が延長すると発表していますし、
股関節の可動域が担保されていることでアライメント保持にも繋がるという報告もあります。
④困難となる動作で、背屈制限に目を向けたはなぜ?
これは、プレート固定術にありがちなものです。
運動習慣がもともとあって、それなりの筋力がある方であればリハビリにもついてこれるし頑張ろうと思える気概もあります。
ただ、そうでない場合はリハビリがきついからそれ以外の時間はベッドに横になっているだったりENT後にも本当は外来などに通院して治療介入を受けた方がいいのにこなかったり自主的にやらなかったりする。
さらにope後なので切開部位の皮膚の癒着も生じやすいしそもそもプレートと軟部組織の癒着をさせないようにしないといけない。
そういったものがあるのでしっかりと背屈可動域は出るようにしましょう!ってことです。
また、体重が平均以上にあると重心がどうしても後方に置いてしまいます。
原因は重くなったお腹を支えるため、後方重心にして釣り合いが取るからです。
スウェイバック姿勢になり、股関節の前面の靭帯に体重をかけて釣り合いを取ります。
この姿勢だと股関節伸展位、膝関節伸展位、足関節底屈位となるので生活していても足関節が背屈に入る機会が少ないのです。
加えて、しゃがみこみをすることもないし前屈みになることもない生活になります。
だから、背屈可動域を確実に出しておくことが大切なのです。
さらに、
・歩行時の立脚後期〜蹴り出し
・起立動作
・着座動作
・股関節屈曲との連動
・ディープフロントライン(DFL)の動き
この辺りで関与していきます。
特にDFLは身体の安定性に大きく関与しているので整えておきたいところですね。
まとめ
今回は足関節OAについての質問についての回答をご紹介しました!
次回もお楽しみに〜!!!
ではではーーーーーー!
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