何やらバタバタしていますが、ようやくオリンピックが始まりますね。
そこで今日はスポーツに関連して、「運動神経が良い」とは何なのか?ということについて書いていきます。
2020年のCLINICAL NEUROSCIENCE「スポーツの神経科学」で「運動神経」について書かれていて興味深かったので嚙み砕きながらシェアしたいと思います。
子どもの頃はよく、運動神経が「良い」「悪い」という表現を使ったかと思います。
今子供がいる人も、自分の子供は運動神経が良いのか、悪いのか考えたことがあるのではないでしょうか。
では、この「運動神経」とは何なのか。
医療の場で用いる「運動神経」はいわゆる錐体路や錐体外路などを示すことが多いと思います。ただ、一般でいうところの「運動神経が良い(悪い)」という表現は、「体を思うように動かす協調能力」のことを指します。
運動に必要な能力には、この協調能力(いわゆる一般的に運動神経と呼ばれるもの)と筋力や持久力などの身体能力がバランスよく備わっている必要があると言われています。
身体能力はトレーニングなどで向上させることは勿論できますが、生まれ持った素質や遺伝の影響を大きく受けることが報告されており、なんと身体能力に関わる遺伝子には120もの種類があるそうです。
今大活躍の大谷選手なんかも、あの体格を見ると生まれ持った素質による身体能力の影響も大きそうですよね。
また、近年では協調能力の方でも遺伝の影響が存在する可能性が示唆され始めているようです。
遺伝の影響が運動機能に影響を与えていることは間違いないようですが、協調能力(運動神経)は向上させることが出来ます。
特に環境や経験が大きく影響を与えると言われています
【運動神経を向上させるためにどうすればよいか】
では、特に子どもの運動神経を高めたい!と思ったとき、どのようにすれば良いのか。
6歳をピークに脳の可塑性は高く脳容量のサイズはピークを迎えることから、就学前(5~6)歳までに運動技能の獲得、経験をさせておくことが望ましいようです。
協調能力は身体活動量と相関する事が報告されていることから、運動の機会をたくさん作ることが重要なようですが、遊びだけでは協調能力はあまり高まらないことが報告されています。
適切に運動発達に応じた課題・機器・環境などを設定し運動介入することで協調能力の向上、いわゆる「運動神経の良い」状態に繋げていける。
また、単一スポーツだけでなく、様々なスポーツを経験させることも協調能力の向上に繋がるようです。
こう見てみると当たり前のようですが、幼児期への運動経験は一つポイントになりそうですね。
今回はスポーツをする上での「運動神経」についての内容でしたが、身体を思う様に動かす協調能力は、大人、それこそ片麻痺の方々にも共通する話かと思います。
こういった内容からも、片麻痺の方に対する課題指向訓練がなぜ有効であるかなどのヒントにもなりそうですね。
では、オリンピックに出る選手を皆さん応援しましょう!
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